CHAIRMAN MESSAGE

櫻井 淑敏
取締役会長

『夢への挑戦・不屈の魂』

 2008年6月、ル・マン24時間レースへの視察がエイムとの出逢いでした。ホンダF1総監督を勇退した後、しばらく自動車業界から離れていたのですが、縁あってチームマネジメントの協力を依頼されたのです。
 ル・マンプロジェクトへの参画を通じて、このレースを主催するACO(フランス西部自動車クラブ)会長をはじめとする方々とも懇意になり、伝統のル・マンにも、ハイブリット、EV車の時代が来るという彼らの構想に共感し、自動車業界に新たな波、”エネルギー革命時代”が来るとの予感を一層強くしたことを覚えています。
 2010年のル・マン24時間レースでは、エイムが目標としてきたガソリンエンジン世界一を達成し、チームメンバーのみならず、エイムの社員一同、大変よろこびました。そしてその後は、”エネルギー革命時代”に対応すべく、新しい心臓とも言えるモーターの開発を指揮してきました。
 レースで培った国際的なネットワークを生かし、英国を開発拠点にして日英コラボレーションチームを発足。世界で最も軽くコンパクトな高性能モーターの開発に挑戦し、F1史上最強エンジンとも謳われた、かつてのホンダエンジン並みの出力/重量比率(パワーウエイトレシオ)を誇る新型モーター、『APM120』の開発に成功しました。

 こうした私自身の挑戦の源となっているのは、座右の銘とも言える『夢への挑戦・不屈の魂』という言葉です。現代社会では、誰もが何らかの不安を抱きながら生きている様な気がします。そんな不安から少しでも遠ざかるためには、自らの夢に向かって挑戦し続けることが大切です。挑戦することで創造力が磨かれ心も豊かになり、また信頼できる仲間が増えたりもするからです。
 私の頭のなかには、いつも時代・集団・自分という3つのルーレットが回っています。そのなかで、物事が成功するために最も大切なのは、時代を感じ予測する目ですが、その次に大切なのは、挑戦することによって自分の限界を乗り越え、乗り越える度に本当の自分を発見していくことです。その意味で、挑戦を積み重ねることは自己発見、自己実現の旅だとも言えるでしょう。
 これからもエイムは、新しいオリジナルカーを開発していく夢や、新たなレースに挑戦する夢など、絶えることなく夢に挑戦し続けます。あなたもエイムで、挑戦する精神を養い、自己実現に向かって新しい扉を開いていくことを期待します。

Yoshitoshi Sakurai  Profile

  • 1944年
    東京・大森山王に生まれる。
  • 1967年
    慶応義塾大学工学部を卒業し、本田技研工業(株)に入社。
  • 1971年
    世界初の無公害エンジン・CVCCの基礎概念の確立に成功。その後、本田技術研究所のリーダーとして、数々の新エンジンや新型車の開発にあたり、
    ヒット商品を創り出す。
  • 1984年
    ホンダF1チーム総監督に就任。斬新なマネジメントシステムを創出して、2年連続世界チャンピオンを獲得。
  • 1988年
    セナ・プロストを擁する史上最強チームを創り上げたところで、総監督を勇退。同社の取締役も辞す。

    1998年8月、新文化創造をめざして、(株)レーシング・クラブ・インターナショナルを設立。全国規模のメンバーズクラブを主宰して、「挑戦・創造・美・愛」をキーワードに、新しいライフスピリットの形成に力を尽くす。また、21世紀の「文化資本主義時代」の到来を予見して、新概念の企業ブランドや環境創造など、コンセプター&ディレクターとして幅広く活躍する。多分野における、世界的企業の経営戦略コンサルティングを務める一方、国内の企業・行政団体・教育機関を対象とした講演は、300回を越え、主な著書には、『海のように、風のように』(講談社)、『ゼロからの挑戦』(祥伝社)、『闘うことと愛すること』(青春出版社)、『セナ』(早川書房)がある。

    近年、エネルギー革命時代の到来を標榜し、そのシンボリックアクションとして、新たにレース活動への関心を深める。2008年より、エイム(株)の最高顧問に就任し、当社のルマン・プロジェクトを指揮して、2010年、ルマン24時間レースにおける「ガソリンエンジン世界一」達成に貢献する。2011年からは、英国を開発拠点にして、日本・英国のコラボレーションチームを指揮し、世界最小の高性能モーターの開発に挑戦。2013年春、『APM120』の実現に成功する。